晩秋の薩摩半島自転車旅行(2017年秋)

2017年11月下旬に薩摩半島を自転車で回りました。自転車旅行に併せて家内のアイデアで、日本百名山の一つ開聞岳にも登るという、ちょっと欲張りで体力も必要な旅を楽しみました。大分時間が経ちましたが、備忘録として旅行記としてまとめておきます。

全行程のルートは以下の図です。


11月24日(金) 晴れ 神戸 → 鹿児島・桜島
午前8時10分に自宅を出発する。神戸空港までは自転車で約20分。空港までのアクセスの良さは、いつもながらありがたいです。8時半に空港に到着し、早速、自転車を輪行袋に収納する。両輪用輪行袋を久しぶりに使い、少々手間取る。

鹿児島に向けて9時40分発スカイマーク131便に搭乗する。快晴の空の下、視界は良好。離陸して上空に達すると、まもなく右手に家島諸島、小豆島が現れる。高知県沖の上空から九州に入り、鹿児島空港には10時50分に到着する。

空港ロビーを出たところで自転車を組み立て、午後0時過ぎに鹿児島港に向けて出発する。鹿児島港のフェリー乗り場までは約34kmの道のりです。ルートは下図を参照ください。

県道56号線をしばらく緩やかに下り、4キロほど進んだところから錦江湾に向けて標高差250mを一気に下る。目の前に桜島が大きく現れ、その姿には思わず声を上げてしまう。感動の一瞬です。海岸線で国道10号線に入ると、左手に錦江湾と桜島を眺めながら快適な走行が始まります。途中、展望スポットで小休止を取りながら、午後1時50分にフェリー乗り場に到着する。近くのラーメン屋で遅めの昼食をすませる。

午後2時45分発のフェリーで桜島に向かう。所要時間は約15分。フェリーが進むにつれて、桜島・御岳がますます迫ってくる。フェリー乗り場近くの宿に取り敢えずチェックイン。荷物を置いて自転車で島内をポタリングする。時間があれば一周したかったのですが、島の南端部付近までを往復、午後5時過ぎに宿に戻る。

走行距離:49.68km

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瀬戸内海上空、スカイマーク131便から小豆島を望む。
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国道10号線から錦江湾の向こうに黒い桜島が浮かぶ。
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鹿児島港フェリー乗り場から桜島を望む。
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桜島が目の前に迫ってくる。円錐台形状の山容は、眺める角度によって姿を変えます。
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赤水展望広場のモニュメント「叫びの像」の前で。2004年8月にこの地で長渕剛さんがオールナイトコンサートを行った跡地だそうです。桜島の人口が6000人に対して、当日集まったファンは75000人だったとか。このモニュメントは、桜島の溶岩50tを使って造られたそうです。
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桜島溶岩なぎさ公園から桜島御岳を望む。
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桜島南端部付近に立つ小説家・林芙美子の像。幼少のころこの付近に預けられていたそうです。
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宿で出された造り盛り合わせ。伊勢海老が美味しかった。

11月25日(土) 曇り 桜島 → 指宿温泉
この日は、まず桜島・御岳を間近に見ようと、標高約370mの湯之平展望台まで一気に上りました。その後、フェリーで鹿児島に戻り、国道225,226号線沿いに薩摩半島を南下し指宿温泉へ。旅の疲れを砂風呂にも浸かって癒しました。

標高370mの湯之平展望台へ向かうルートは下図の通りです。


荷物は宿に預け、午前8時50分に出発する。国道224号線を南下し赤水町の交差点で湯之平展望台へ続く山麓の道に入る。初めは緩やかな勾配も、高度を増すについて次第に急勾配になる。眼下に錦江湾を見渡す眺望が開けてくるのですが、勾配のきつさに息も喘ぎ喘ぎとなり途中何度か手押しになる。家内は相変わらず健脚を発揮し、途中、私の視界からは消えました。結局、家内は湯之平展望台まで途中一度休憩はしたものの手押しなしで登り切ったとのこと。

午前10時に湯之平展望台に到着する。御岳の溶岩の山肌が目の前に迫り、大正の大噴火でできたという荒々しい山容は迫力がありました。錦江湾や遠く大隅半島の展望を楽しんだ後、10時半過ぎに展望台を出発する。帰りは道を変え、北西方向に向けて急勾配を下りフェリー乗り場へ。宿で荷物を引き取り、午前11時30分発の鹿児島港行きのフェリーに乗船する。

鹿児島市内を抜け、国道226号線を指宿に向けて南下する。暫く殺風景な工場地帯を走るが、海岸線に入ると左手に鹿児島湾を眺めながらの走行となる。午後1時40分に道の駅「いぶすき 彩花菜館」に到着する。ここで少し遅めの昼食休憩。40分ほど休憩し出発し、指宿の宿には午後3時10分に到着する。

走行距離:68.25km(累計走行距離:117.53km)

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湯之平展望台にて。桜島御岳を望む。海岸沿いからここまで自転車で登るのに苦労しました。
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御岳の荒らしい山肌が迫ってきます。大正の大噴火で山肌が大きく抉られています。
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湯之平展望台から錦江湾を望む。

錦江湾の展望を動画でもどうぞ。
https://youtu.be/sTYDvYhNIXs

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指宿の宿から鹿児島湾と開聞岳を望む。

指宿の宿から開聞岳と鹿児島湾の向こうに大隅半島を望む。
https://youtu.be/hQVvrr3WBOw

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指宿温泉の名物、砂風呂を楽しみました。少し窪んだ砂地に身を横たえると数人のスコップであっという間に顔を残し砂の中に埋められます。砂の圧迫感と熱気にしばらくは程よい温泉気分を味わうことができます。

11月26日(日) 曇りのち雨 指宿温泉 → 枕崎
この日は日本最南端の駅、西大山駅に立ち寄ったのち枕崎へ。枕崎では日頃の晩酌には欠かせない芋焼酎の酒造メーカーの大御所である薩摩酒造の明治蔵を見学しました。

雨模様の空の下、様子をうかがいながら少し遅めに宿を出発する。国道226号線を西に進み、西大山駅には午前10時55分に到着する。 畑の中に小さな待合舎がホームの中ほどにあるだけの無人駅です。それでも観光客が絶えず、駅前でお土産屋さんも営業しています。ホームに立つと線路の向こうに開聞岳がグッと近づいてきます。この路線は正式には指宿枕崎線と言い、鹿児島中央と枕崎を結んでいます。昔は地元の人の唯一の移動手段として活況を呈していたのではないかと想像しますが、時刻表を見ると、現在は上下線とも1日8本、計16本の運行のみです。4時間1本も運行しない時間帯もあります。
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日本最南端の駅、西大山駅にて。雲に頂きを包まれるのは開聞岳。
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ちなみに日本最北端の駅は「稚内駅」、最東端の駅は「東根室駅」、そして竿西端の駅は「佐世保駅」です。
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西大山駅の時刻表です。

今にも雨粒が落ちてきそうな低く垂れ込めた雲の下を、枕崎に向けて国道226号線を進む。開聞岳が間近に迫り、海抜0mからの標高980mはさすがに高く見上げます。枕崎市内に入るといよいよ雨が降り出す。午後1時15分、薩摩酒造明治蔵に到着する。到着と同時に本降りとなり、間一髪で大雨を回避することができました。

まずは、明治蔵に併設される花渡川ビアハウス(けどがわ)で遅めの昼食休憩です。当店特別メニューの「鰹船人めしセット」を注文する。昔、枕崎のカツオ漁船に乗り込んだ漁師さん達が、冷凍庫に保管する鰹を毎日食したものが起源だそうです。

食事後、隣の棟の「さつま白波」の醸造現場を見学。酒作りがまさに微生物の活動の結果、作り出されていうという瞬間を目の当たりにしました。団体客が見学を終えた後ということで、見学者は私たち夫婦のほか1,2組と、ゆっくりと見学をし、試飲の方もたっぷり楽しめました。
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枕崎の花渡川ビアハウスでの昼食「鰹船人めし」です。鰹漁船の漁師さん達の航行中の食事とのこと。
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薩摩酒造・明治蔵を見学。古酒を含めて麹の異なる7,8種類の焼酎を試飲させていただき上機嫌となりました。
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ちょうど中国からの団体客が帰った後とのことで、静かな工場内をゆっくりと見学。一次醪、二次醪の発酵は広い屋内に直径2m程の樽が並べられていて壮観な風景でした。
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一次醪の発酵現場を間近に見ると、黄土色の醪からブクブクと炭酸ガスが湧き出て来るのが分かります。まさに酵母が活発に活動している証です。

焼酎の一次発酵の様子を動画でもどうぞ。でもどうぞ。
https://youtu.be/hQVvrr3WBOw

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二次醪の樽には蓋が載せられてじっくりと寝かせるそうです。
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焼酎はウィスキーと同様、蒸留により仕上がります。

11月27日(月) 晴れ 枕崎 → 開聞岳 → 山川漁港 → 鹿児島空港 → 神戸
この日は、枕崎から再び指宿方面に引き返し、途中、開聞岳を登ってしまおうと、自転車と登山と組み合わせたこれまでにない初めての試みでした。開聞岳は深田久弥の日本百名山の一つでもあり、是非一度登りたい山の一つです。

午前9時前に宿を出発。途中、ファミマで昼食をゲットする。開聞岳山頂で昼食の予定です。家内も私もお好みサンドウィッチ&お握りに野菜ジュースと食後のコーヒーの、いつもの昼食メニューです。開聞岳自然公園には午前9時40分に到着する。

準備を整え午前10時前に登山開始。初めは木の生い茂る緩やかな山道を道標に沿って進む。登山客は結構多く、中には外国人のカップルも数組すれ違い、日本で登山を楽しむ外国人観光客がこんなところ(日本アルプスとは違い、どちらかというとマイナーな山?)にもやって来るのだと驚きました。

10時半すぎに四合目を、10時45分に五合目をを通過。樹林が続く山道は視界がきかず単調ですが、七合目付近から錦江湾方面が見えてくる。八合目には11時25分に、この辺りか大きな岩やロープをたどる急な勾配も現れ、山頂を間近に感じるようになります。トラバースするように山頂に向かう山道から枕崎方面の海岸線が目に入ってきます。

山頂には12時少し前に到着する。快晴の空、鹿児島湾と東シナ海を望むほぼ360度のパノラマは絶景でした。北に目を向けると、眼下に巨大水棲生物、日本版版ネッシー、「イッシー」が生息すると噂されているという池田湖を眺め、遠く桜島を望むことができました。11月下旬というのに、標高約1000mの山頂でも半袖で大丈夫という暖かさでした。
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開聞岳八合目付近から鹿児島湾に細く伸びる長崎鼻を望む。奥は大隅半島。
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開聞岳九合目付近。頂上に近づくにつれて山道も険しくなります。
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開聞岳山頂にて。登り始めてから約2時間。いい汗をかきました。11月末だというのに、標高1000mに近い山頂でも半袖で大丈夫とは驚きました。

開聞岳山頂のパノラマを動画でどうぞ。
https://youtu.be/k-xcLeBPAA8

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開聞岳山頂から鹿児島湾、そしてその向こうに大隅半島を望む。昨日の雨空から打って変わり、快晴の空の下、澄んだ空気の中に360度のパノラマが広がりました。
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下山途中、枕崎方面を望む。

午後0時半過ぎに下山を開始する。午後4時山川港発の鹿児島空港行きリムジンバスに乗るため、山頂でのんびりとしているわけにもいきません。麓の自然公園には午後2時半過ぎに到着する。山川港までは約13kmの道のりです。国道226号線を東に進み、午後3時半過ぎに山川港桟橋のバスターミナルに到着する。自転車を輪行袋に収納するのも余裕です。午後4時始発のリムジンバスに乗り込み、途中、旅の疲れかウトウトしながら午後5時50分に鹿児島空港に到着しました。自転車での全走行距離約200kmと開聞岳登山という盛り沢山の薩摩半島自転車旅行を無事に終え、神戸空港行き最終フライトを待つ間、家内と2人ビールでほろ酔いながら道中を振り返りました。

走行距離:43.12km(累計走行距離:205.55km)

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後日、宅急便で届いた薩摩酒造の芋焼酎です。

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